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……なんてことはありえないが。 まず第一に俺は遅刻することを何とも思っていない。 だから、遅刻する可能性があるからといって、朝食を焦って作ることはない。 仮に、何らかの理由で朝食を十分にとれなかったとする。 それでも授業に身が入らなくて困るなんてことは起こらない。 俺は普段から授業なんてろくに聞いていない。 俺よりも馬鹿な教師から教えてもらうことなんて何一つない。 もちろん、俺より馬鹿な教師どもが作ったテストで満点を取れないわけがない。 だから、不動の1位の座も変わることはない。 結局、今までに予測したことは起こりえないことで、何の意味もない。 そんなくだらないことを考えているうちに、時間は6時40分になろうとしている。 ……これはもう間に合わないな。 俺は高校生だが、一人暮らしをしている。 遅刻しそうになっていても呼びに来るような人はいない。 代わりに朝食を作ってくれる人もいない。 朝食を抜く、以外で遅刻を逃れる方法はない。 けれど、朝食を抜く気はさらさらない。 これで遅刻決定だ。 ゆっくりと重役出勤させてもらおうか。
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