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時刻は8時47分。
授業開始は8時40分。
俺は校門前にいる。
思ったよりも早く着いた。
これでは、全く重役出勤ではない。
あと30分ほどどこかで時間を潰してくるか。
なんて、無駄なことを考えたりもしたが、やめた。
遠くからすごい速さで走って来る人がいる。
誰がこっちに来るのかなんて考えるまでもない。
あれは間違いなく優(スグル)だ。
あの速さで走れる人類はあいつぐらいだろう。
どんどんこちらに近づいてくる。
…………減速する気配がない。
俺は身構えた。
…………
「お~は~よっ!!」
案の定、優は朝の挨拶と同時に、勢いそのまま俺に飛び付いてきた。
が、そんな勢いで飛びつかれたら吹き飛びかねない。
俺は半身を後ろに逸らし、腕を水平に上げ、優にいわゆるラリアットをかました。
優は凄まじい勢いで突っ込んできていたので、腕にかなりの負担がかかったが、優の首から上は急停止した。
首から下は勢いそのまま、優の体は地面と水平になる。
一般人ならこのまま地面に落ち、背中を強打するのだろうが、優は違う。
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