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地面と水平になった状態で、勢いを使って、重心を上半身に移動させ、頭が下になるように態勢を変える。 地面に手をついて逆立ちの姿勢になり、そのまま…… 「おはよっ!!」 再度、何事もなかったかのように挨拶をしてきた。 俺がこの光景に驚くことはない。 こいつならばこのぐらいは余裕である。 いつものこと、だ。 俺も軽く挨拶を返し、優が逆立ちをやめたところで一緒に校舎へと入っていく。 こいつは俺の幼なじみで、親友といっても過言ではない。 俺がまともに会話をするのは、こいつか、もう一人の幼なじみの鈴くらいである。 どちらも同じクラスで、いつも一緒にいる。 俺は、他の人間はクズばかりだと考えている。 どいつもこいつも馬鹿ばかりだ。 だが、この二人は別だ。 どちらも一見阿呆だが、その実、いろいろなことを考えている。 何より、こいつらといると気が楽になる。 他のクズどもと話すときと違って、いらいらしなくて済む。 俺と優は軽く話しながら、歩いて教室へと向かう。 優も遅刻常習犯である。 こいつはいつも寝坊が理由だ(俺はゆっくり準備しているのが理由であって、寝坊が理由ではない)。 そうこうしているうちに、教室の前にたどり着いた。
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