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ここからが問題である。 教室の扉は閉まっている。 教室に入れば、少なからず注目を浴びることになるだろう。 俺はいつも無言で教室に入り、そのまま着席する。 教師からは睨まれるが、それも無視だ。 だが、優は違う。 本当に反省しているのかどうかは知らないが、申し訳なさそうに教室に入り、教師の合図があるまで入口で立っている。 これが遅刻した生徒の正しい在り方だ。 ま、俺は真似する気はないが。 そこで何が問題か言うと、その両極端な生徒が同時に教室に入ったときに他の人間がどう思うか、だ。 まあ、大部分が俺にいい印象を抱かないだろうな。 俺は別にそれで構わないのだが、優はそれが嫌らしい。 自分のせいで俺の印象が悪くなって欲しくないようだ。 そんなこと、俺はまったく気にしないというのに。 そこで、優は俺にも遅刻した生徒がとるべき態度でいるように言ってきた。 確かにそうすれば、俺の評価が悪くなることはないだろう。 ……が、 「いやだ」 馬鹿な教師に頭を下げるなんてことは何があってもする気はない。
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