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来てしまった…お家に。正確には連れてこられてしまったのだが。
部屋に入った瞬間、自分は本当にダメ人間だと思った。
だ、だめ…。この匂いが好きすぎて、くらくらしてきた。衝動が抑えられない。
俺は我慢ができないダメ人間だ。
「眠い。ベッド貸して」
さっきまでふらついていたし、目眩を起こしていたのも事実だ。これを使わない手はない。
そう言うと死神は、箪笥の中からこの前置いていってしまった服を出してきた。
「汚いやつは布団に入れない」
それは綺麗になったら入っていいってことですね?そう自分にとって都合の良いように解釈をした。
「綺麗にしてくる」
着ていたものを脱ぎ、浴室に入る。
前は意識がはっきりしていなくて分からなかった。
カビ一つない綺麗な浴室。
シャワーのお湯を出して、シャンプーで髪を洗う。そして、体を洗おうとボディーソープを手に取り泡立てた瞬間、シャンプーとボディーソープの混ざった匂いが、あの日の死神の優しい手を思い出させた。
「恥ずかし…」
急に浴室にいるのが恥ずかしくなり、さっさと済ませて浴室を出た。
リビングに戻ると冷蔵庫を漁る死神と目が合った。
「綺麗にした」
「いいよ入って」
寝室の部屋のドアを開け、静かに閉める。
よし!ダーイブ!!…するわけがない。
そっと乗って毛布を抱きしめた。
これです…。この匂い。
「初めて知った…俺匂いフェチ」
いい匂い。何この充足感…。好き。好き。
好きすぎて、好きすぎて…
「勃った…」
ほんとどうしようもないねお前…。元気になったそれを見ながら心の中で呟いた。
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