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シャワーの音。体にかかる温いお湯。 ああそうか、神様か魔王様に会う前に体を綺麗にしなきゃいけないのか。 それにしてもなんだこの現実感。体のあちこちが痛む。死んだら苦痛から開放されるもんだと勝手に思っていた。 傷に石鹸が染みて辛い。 死神はそれを分かっているかのように泡で優しく撫で洗うと、すぐに緩い水圧で洗い流してくれる。 不思議な感覚だった。 体は確かに痛いのに、死神があまりに優しく扱うから、気持ちよくて…。 こんなに気持ちいいことがあったことを知れてよかったと思った。 「洗い足りないとこは?ない?」 (あるって言うなよな、メンドクセェ) 出た。メンドクセェ。 死神の口癖だ。 俺はゆっくりと頷いた。 頷いたはずなのに、死神は局部を洗い出す。 泡立てられた石鹸の柔らかな感触と優しい手つき。 性的な意味での気持ちよさまで加わってきた。 括れた部分を剥き出され指でクニクニと洗われれば、反応してしまうのは仕方ない。 聞こえる死神の声は厳しいものだったけど…。 (勃ちやがった、洗ってやるんじゃなかったな) 勝手に洗ってるくせに…。 (まあいいか、洗いやすくなった) … あ、そういう問題ですか。そうですか。 「心、ひろっ…」
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