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水の音がしなくなると、再び体が宙に浮く。 メンドクセェ。 度々耳にするこれは良い意味の言葉ではない。なのに聞いていても苦ではないのは、死神の声が、手が、その言葉とは合わないほど優しいものだったから。 適度な固さの上に体を置かれ、死神の匂いに包まれた。 けれど、安心感はすぐに孤独感に変わる。 誰かが離れていってしまうことなんて、この体質上たくさん経験したはずが、死神が離れていってしまうのは嫌で嫌で仕方なくて、親にも言ったことのないことを口にした。 「行かない…で」 死神は頭をさらさらと撫でてくれる。 「飯作るだけ。戻ってくる」 戻ってくる…。信用できないわけじゃないのに不安で、薄目を開けて頭を撫でていた死神の指先に触れた。 表情はよく分からなかったけれど、次に耳元で、低音でゆっくりと囁かれた言葉に安心して俺はゆっくりと眠りにつくことができた。 「ずっといるよ」
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