プロローグ

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 僕は生まれた瞬間から、不思議な痣があった。この痣が何を意味していたのか、僕は知らない。 ・・・九歳の誕生日までは。この日、僕は不思議な痣の意味を知る事になる・・・ 「・・・さい」 「ん、んー・・・?」 「起きなさい、ユーリ」 「んぅ・・・おはよーママ♪」  僕はユーリ、今日で九歳になる女の子。女の子なのに左の肩に痣があるの。別に好きで付けた訳じゃなくて、生まれた時からあったんだって。 「おはようユーリ、今日は誕生日ね」 「うん!ママ、今日の予定は?」 「今日はね、大事な話があるの」  誕生日だっていうのにママの顔が暗い気がする・・・何か嫌な事でもあったのかな? 「大事な話?」 「ええ・・・ユーリのその、痣についての話」 「これ・・・?」  確かにこれが何なのか気になるし、聞きたい。でも、何か嫌な予感がする・・・聞いたら、駄目な気がする。 「そう・・・その痣はね、あなたがこの世界に巣くう魔物、魔王を倒す力がある勇者だっていう証拠の痣なの」 「・・・?魔王?」  そんな存在、今初めて聞いたけど・・・魔王っていうのが居ると何かいけない事でもあるの? 「そう、魔王。魔王っていうのは、この世界を魔物だけの世界にして支配しようとする悪い奴の事よ」 「・・・本当に?」 「ええ、最近その魔王が本格的に動いてるみたいなの」  話を纏めると、勇者としての素質がある僕に魔王を倒しにいけと・・・そういう事なんだね、ママ。
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