プロローグ

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「じゃあ、僕に今から魔王を倒しに行けっていうのが本当の大事な話?」 「・・・!ごめんなさい、ユーリ・・・」 「大丈夫だよ、ママ。ママは悪くないよ♪」  悪いのはママじゃない。この痣を持って生まれた、自分のせいなんだから。 「本当にごめんなさい・・・!本当はユーリを行かせたくないのに・・・!」 「ママ、泣かないで。悪いのは魔王なんでしょ?」  本当はそんな事思っていない。悪いのは魔王でもママでもない。  「・・・とりあえず、王様に会いに行きなさい」 「んー・・・分かった、それじゃ行ってきますママ♪」 「・・・無事に帰ってきてね、ユーリ」  無事に帰ってくるよ、絶対。 「失礼しまーす」 「おお、そなたが勇者の痣を持つ・・・」 「はい、ユーリです♪」 「まだ幼いではないか・・・今何歳なのだ?」  ・・・僕、やけに小さい子扱いされてる気がする。確かに身長低いけど。 「九歳です」 「九歳・・・七歳位かと思っておったが、やはりそれでも幼い・・・君に人類の存続を担わせるのは少々酷な気もするが・・・」 「大丈夫です」  人類の存続云々より幼く見られた事が頭に残っちゃった・・・ 「そ、そうか・・・では少ないがこれを餞別として持って行きなさい」 「ありがとうございます」  お金を貰ったけど、何に使えば良いんだろう・・・ 「後一人ではさすがに心細いだろうから、この町のギルドに行って仲間を探しなさい」 「はい、それでは行ってきます♪」 「頼んだぞ、幼き勇者ユーリよ・・・」  仲間か・・・僕、一人で行こうかな。誰かが傷付くのは見たくない。 ・・・こうして、僕の勇者としての旅が始まりを告げた。
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