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西洋風の高い壁に囲まれた綺麗なお城のような建物は周りの殺風景な景色からは一際浮いていた。
建物の大きな門の前には茶髪で癖っけのあるショートヘアの少女が不安そうな顔をして立っていた。
少女は右手にもっている紙に目を通す。
紙には一番上に"「breeze house」あなたの悩み解決します"と書いてあり、その下には地図や可愛らしい天使の絵が描いてある。
少女はその紙を一通り読むと建物に目を向けた。
「……………門でかい…」
門の大きさに驚き、しばらく門の前で立ち止まっていたが。
「……よしっ」
意をけっして
足を踏み入れた。
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「…うわぁっ」
中に一歩足を踏み入れると爽やかな風が少女の頬をふわりとなでた。
チュンチュンと可愛らしい鳥の鳴き声が響き、噴水からは透き通った水が噴き出されていた。
「………」
少女は感動で声がでなかった。
どのくらい呆けていただろうか。
突然
「ドロボーーーー‼‼‼‼‼」
ビックゥ‼‼
真後ろで叫ばれて
おもいっきり驚いてしまった。
少女が後ろを振り返ると長い黒髪を1つに束ね、小さな丸眼鏡をかけた20代後半ぐらいの男性が立っていた。
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