プロローグ

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もしも、難易度が『プロ級』になったら………。 レスト「はやく…これを彼女に届けなきゃ。」 飛行船に乗っている青年レストは、セルフィアという街へと急いでいた。 レスト「船長さん、あとどれくらいで着きますか?」 船長「ん~?……ああ、もうすぐって所かねえ?」 レスト「そうですか。」 船長「あんた、セルフィアには観光で行くのかい。」 レスト「えっと、まあ、そんな所です。」 船長「あそこはいいところだよ、街も綺麗だし、景色もいいし、品揃えもいいし………。」 レストと船長の会話とはうって変わり、飛行船の隅のほうにあるタル置場で、何か囁き声が響いていた。 ?「………アイツだな。」 ?「どいつですか?」 ?「見てみろ。船の縁にいるだろ、金髪のナヨナヨした野郎が。」 ?「兄貴、真っ暗で見えません。」 ?「穴が空いてるだろ!あらかじめ開けておいた穴が!」 ?「……お!本当だ。」 ?「バカかてめぇは!早く見てみろ!」 ?「……見えました。」 ?「………アイツが持ってる筈だ。………例のブツを。」 ?「………兄貴、少し気にかかる事があります。」 ?「なんだ?言ってみろ?」 ?「…………俺達、なんでこんな所にいるんでしたっけ?」 ?「………………。」 ?「兄貴?」 ?「おい。」 ?「へい。」 ?「頭出せ。」 ?「………嫌だと言ったら?」 ?「兄貴に逆らおうってのか?」 ?「……その手に持ったスチールソードを鞘に収めてくれたら、逆らう気も失せるんですけど……。」 ?「心配すんな。死なない程度に切り刻むだけだ。」 ?「お、思いだしました!帝国の命令で、アイツの持ってるルーンスフィアを奪うんでした!!」 ?「声がでかい!!」 飛行船の観光客「ん?なんかタル置場で人の声がするな…。」 ?「げ、気付かれた!てめぇがでかい声出すからだ!」 ?「兄貴もです。」 ?「………ち、まあいい。頃合いだ。………行くぞ。」 ?「へい、兄貴。」
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