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「……よし。」
あれから、夜になるまで屋上で悩んだ。
聞くのは怖いけれど覚悟を決めた。
「…よし。」
…覚悟を決めて帰って来たはずが、明かりの点いていない玄関先で30分も立ち続けている。
そろそろ入らないと通報されるかもしれない。
深呼吸をして中へ入る。
「た、ただいま。」
しん、と静まり返った廊下に少し安心する。
靴を脱いで両親がいるであろうリビングへと向かう。
足音をたてないよう、ゆっくりと歩く。
リビングのドア越しに2人の話し声が聞こえる。
「ユキ、遅いわね。」
母の声にドアを開こうとした手が何故か止まる。
「もうこんな時間か。」
暗い廊下でドアを開けようとした姿勢のまま、会話を聞く。
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