歪んだ世界と歪な僕。

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「近くで殺人事件があったばかりなのに…。」 母の不満そうな声。 「犯人は捕まったんだろう?」 父の声が母の声に答える。 「ユキは大丈夫だよ。」 「でも心配よ。」 誰の、心配しているの? 今すぐドアを開けて聞きたいのに、体が動かない。 ただ会話を聞き続ける。 「君は心配しすぎだ。」 「でも。」 「ユキに何かあっても大丈夫だよ。」 「また、ユキを創ればいい。」 ……………え? 「そうすれば元通りだろ?」 「それはそうだけど。」 母のその声を聞きながら家を飛び出す。 僕は一体、何を望んでたんだろう。
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