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「……。」
眠い。
夏の焼けるような日差しも、
教室の蒸し風呂のような熱気も眠気を追い払うことはできない。
教室内では、生徒同士が熱く議論している。
黒板に書かれたテーマは、
「クローンについてどう考えるか」。
生命を弄んでいるだとか、
科学技術の進歩だとか意見が出ている。
…眼球から創られた僕が、この事に意見することはどうなんだろうか。
そう思いつつ、目を閉じる。
「意見」という名の人の声が、目を閉じた真っ暗な世界では無価値なモノに思える。
暗い世界にふわり、と気泡が現れる。
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