ある晴天の日に

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ガタガタ、ガタガタ 馬車が揺れるたびに、純白のドレスがふわりと広がる。 窓の外を振り返ると、みんながうれしそうに、あたしを見送っている。 だんだん遠くなり、豆つぶぐらいの大きさになった。 あたし、リランは8月14日、つまり、今日で16才になる。 そして、この馬車の向かう先の古い教会で式を挙げることになっている。 カチッ ゴォーン… 町外れの教会の鐘が11時を告げた。 12時になれば、あたしは… 天国に行きます。
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