プロローグ

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だいたい今の世の中は間違ってる。 正しい事を言うことのなにが悪いのか俺には分からない。 自分の心とは正反対の仮面を顔につけて人とコミュニケーションをとり仲間を増やしていく。 それの何が楽しいんだ?それならまだ漫画を4回くらい繰り返し読んだほうがまだ深さが分かっていいくらいだ。 本音を言えばお前キツイとか、酷いとか、黒いとか言われ 建前で話せば良い奴、優しい、頼れる、か。 本当におめでたい奴らだよ。おめでたすぎて涙が出てきそうだ。 好きにやってればいい。そうやって仲間を増やせばいい。惨めな仲間を。 本当の事を言い合わず、自分にとって好ましくない情報は切って捨て、好ましい情報だけを選りすぐり集める。 相手が腹の中で何を思っていようと気づかないフリをして関係を続け、気づけば捨てられている。 そんなもんだ。本音を話さない奴なんていつ手のひらを返すか分かったもんじゃない。 それなのに人は建前を求める。自分を傷つける真実じゃなく、優しく癒してくれる虚実を求め、それに浸り、ついには真実から目をそらして生きていく。 そうやって生きれたらどれだけ幸せで、楽しそうで、夢があって、希望があって、哀れで、惨めで、可哀想で、愚かで、救いようがなくて、脆くて、弱くて、儚くて。 見ているだけで嫌気がさす。だから俺は人と接さなくていい。むしろ一人を望んでいるんだ。 だってこの世界に生きる奴は明日に希望を見出して。 現実をないがしろにしかしていないのだから。
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