プロローグ

2/6
1人が本棚に入れています
本棚に追加
/17ページ
「ナイッシュ!!」 キュッキュッ タンタンタンタン… ボールの音が響く…。 ボールが入ったあとの「シュパッ」という音はなんともたまらない。 そう、ここは体育館。 俺たちは残ってシュートの練習をしていた。 本当は3時間練習して終わりなのだが、今日はなぜか残って練習したい気分だった。 いや、家に帰りたくないが正解か… 2日前に遡る。 俺には二つ上の姉ちゃんがいる。 姉ちゃんはもう高校3年生だ。 高校3年生というともう受験の時期になる。 姉ちゃんは演技大好きでそのせいか、女優になりたいと言っている。 そのために専門学校に通いたいらしい。 が、俺の親は芸能界を反対している。 当然専門学校も反対だ。 どうしてもできるだけ偏差値が高い大学に行って欲しいらしい。 実は姉ちゃんは俺よりも何倍も頭がいい。 先生にも明治大学とか勧められてるくらいだ。 でも姉ちゃんは自分で金を払ってでも専門学校に行くと言っていた。 さらに「親の力なんか借りなくたってやっていけるからほっといて!」とまで言い出した。 いくら俺でもそれはないと止めに行こうとしたら姉ちゃんはさっさか自分の部屋に言ってしまった。 姉ちゃんも母さんもそのストレスが溜まって俺に八つ当たりしてくる。
/17ページ

最初のコメントを投稿しよう!