ジェイソン?

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――深夜?:?? 私は月明かりの照らす街道を、財布だけを持ち歩いていた。 周りは何処の町かわからない。どの家も電気がついておらず、真っ暗だ。 ただ、月の光で照らされているだけ。 「おい、ここ何処だよ。マジ怖いんだけど。」 そう呟きながら、ただ前進する。 歩いていると前方に、黒い人影が微かに見えた。 私は人見知りなので自分からは声をかけることが出来ない。だから、全身が見えるまで近付こうと思って、歩を速めた。 今日の夜は雲がなく、光が地上までよく届いている。 前方の人影が少しずつ見えてきた。 女である。身長は173ある自分より頭一つ低く、黒髪で長髪、何処かの学校の制服、手にギターケースのようなのを持ち、此方に背を向けている。 「すいません。ちょっといいですか?」 近くに来て女の子だったので、話し掛けてみた。 「…………………」 女の子は背を向けたまま、何も話さない。そのまま少しずつ向きを変えて私に向き直った。 対面したが建物の影で月光が遮られ、顔の部分が見えない。 (顔が見えないな。もう少し近付こうかな?) 見えなかったので一歩踏み出し、女の子の顔を見ようとした。 「…っ!え?いやいや、ないでしょう」 女の子の顔は無く、そこには見たことがあるアイスホッケーマスクがあった。 「嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ!!」 私は恐怖に陥りもと来た道を走り出した。草履を履いていて、走りにくい。 「はあっ、はあっ、はあっ、はあっ、うぐっ、ふぅ」 ひさしぶりに走ったせいか肺がとても苦しい。足音が聞こえないので、後ろをちらりと見ようとしたが、自分の影の上に何かいる。 「ま、まさか…」 後ろを見ると、其処には大きなチェーンソーを振り上げた女の子の姿。 「あ、ああ、たたすけ…」 私の声は届かず、無情にもチェーンソーは私目掛けて降り下ろされた。 「うわあああぁぁ!!……あ、あれ?痛くない?」 チェーンソーは私の左肩から右足まで深く切りつけた。血が大量に出たが痛みはない。 女の子の方を見ると、マスクを外す所だった。そして、マスクの中には 「な、なんで?お前が、こんなことを」 部活の後輩の顔があり、狂気に染まっていた。後輩は私を見下し、話し出した。 「せんぱーい、何でこんなことを?したかでしたっけ?それはね、私が先輩のことを―――」 途中で意識が遠のき、私は夢から覚めた。
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