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ーー魔力。
それは簡単に言えば『生命力に限りなく近いが、無くても生きていけるモノ』とされている。
生命力に限りなく近いとされるのは、西の降霊魔術で実体を持たない霊が受肉するからである。
確かにそこだけ見れば霊にとっては生命力とも呼べるだろうが、生きている人間にとってはせいぜい甘味や遊具などの嗜好品として考えられている。
精製法もいくつかあり、あるときは呼吸のパターン、あるときは歩き方、あるときは食事など……それこそ魔術の種類によって様々になるのだ。
それらに共通するのが、ボゴラが言った『青い燐光』だった。
「信じがたい話ですが、魔力を必要としていないのは確かなようですね」
「外部からエネルギー源を供給されずに動くっていうことは、第1種の永久機関と同義なんじゃなかったかしら……?」
驚きながら、テレスは倒れてきたガラスを細腕で持ち上げてみる。
それから指の関節を曲げて叩いてみたが、やはりそれは本物のガラスとして機能していた。
「我々はこのように魔力源を必要としないこれらを『加護憑き≪プロヴィデンス≫』と呼んでいます」
つまり、と男性。
「これから各国に剣・盾・槍・弓矢・籠手・斧・王冠を1つずつ配りますので、それらを奪い合って下さい」
28個(プラス2個)のジュラルミンケース。
それら全てに、科学上実現不可能なハズの永久機関が入っている。
そういう意味だった。
「ただし、どれか1種が4つ揃った場合の略奪は認めません。揃えた国はこちらに報告して下さい」
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