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「最終的な結末を言えば、勝利した国にこの世界の覇権をお譲りします」
「まぁ、戦争だからな」
「と言いましても、我々が他国の奴隷化を進めるのではなく、戦勝国に都合の良い法律をいくらでも作るという意味です」
男性の口許が刀身に映る。
アーチ状に映ったそれは、ひっくり返せばうっすらとした笑みとなる。
男性は、笑っていた。
「それはつまり、東と西の裁判が開かれたとき、確実に、全ての裁判でどちらかが勝てるようになるとでも?」
「その通りです。いえむしろ、『東が他の3国を悪と見なしたなら、全てに罰を下す』というのも作れます」
「それはメチャクチャすぎマス! 公平性を美徳としてきた『帝央會』が提案する法律とは思えマセン!」
ボゴラの言葉を聞いた途端、男性は押し止めていたかのような感情をも噴き出した。
醜悪な笑みを浮かべて。
男性は言う。
「公平性を美徳としてきた!? アハハハハハ、おかしなことを言いますね! これは、現在の法律は2000年前の『臆病な王』の『副産物』なんですよ!?」
「臆病な、王……!?」
「公平に見えるのは認めましょう。彼も公平さを望んで法律を整備しましたから。ですが、それは『帝央會』の理念ではありません。誤解されては困りますよ」
「そんな……!?」
男性の言葉に、4人の王は愕然とする。
これまで、いかに身勝手なウソが飛び交っても、それらは『帝央會』に処理されてきた。
たくさんのトリックや捏造で殺人を隠蔽した悪人も見付け出し、誰からも納得される結論を提示してきた。
だのに。
なのに。
それは4人の王すら知らない、2000年前の『臆病な王』の『副産物』と明かされた。
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