開戦

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  こちらとは少し造りの違う世界。 そこでは、ある大きな組織が世界のルールを司っていた。 ーー『帝央會(ていおうかい)』。 世の中のあらゆる権利者・富豪も介入することが出来ない絶対の法を司る組織。 彼らは政治的領土問題から、裁判官の買収疑惑のある小さな訴訟まで無償で請け負っていた。 故に経済的弱者は彼らに心酔し、自国の不条理な法に苦しんだときの駆け込み寺として重宝した。 『帝央會』が理想とするのは絶対の公平性であり、その尊さは世界の平穏を体現していた。 ーーだが。 内部で対立が起こったのか、はたまた思想を見直した結果新たな理屈を採用したのか。 それらは依然として不明のままだが、突如として『帝央會』は四方の国にある親書を出した。 そうーー『戦争を始めろ』という親書を。  
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