開戦

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  * 『帝央會』の文化レベルは、こちらの世界より300年くらい進んだような感じだろうか。 建造物は、ビル1つ取って見ても長方形をしていない。 むしろ円柱型で屋外に移動用エレベーターが設けられたりしている。 4国の王が招かれたのは、その中でも一際大きく屋上にヘリポートのあるビルの最上階だった。 「これだけの建築技能があるのなら、是非とも世界に流通させて欲しいのデスが……」 「そうもいきませんよ。下手に過ぎた文明を学べば、国の発展に大きな支障をもたらすのが世の常ですから」 「そうね、私もアリちゃんの意見に賛成よ。経済主義、民主主義、国際主義を順番に通らないと国民の民度は確実に落ちるもの」 フロアの観葉植物を眺めつつ、銀髪の美しい女性がボヤく。 「私たちに伝えられた魔術だって、先人たちが少しずつ解き明かした結果の上に成り立ってるの。無闇によく知らない技術に触れるのは危険よ」 彼女の名はテレス・サスタローシャ。 北の国ーー『ノース』の国家元首を担う若き麗人だ。 軍服にはいくつもの勲章とバッジが縫い付けられており、どれだけの功績を挙げてきたかは計り知れない人物である。 ちなみにおっぱいがデカイせいで、お嫁さんにしてエロいコトをしたい女性政治家第1位に選ばれているんだとか。 「サスタローシャ! アリちゃんはヤメて下さい!!」 テレスに噛みついたのは、西の国ーー『ウェスト』の女王、アリアナ・サンドッグ。 見た目にして17・18歳程度にしか見えない西の皇族だ。  
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