序章

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ったく、一フロア毎の高さが十メートル以上とか、馬鹿じゃねえの? いくら巨大な種族のモンスターも通るからって、高過ぎだろ。 つうかそも、そんなデケェモンスター城に入れんなよ。 小さくなれねえのにデケェモンスター共なんか外で十分だ、外で。 っと、アイツを呼ばなきゃな。 「ハイカゲ!」 直後、空から影が舞い降りる。 俺の相棒のハイカゲ、鳥型のモンスターだ。 影に見えるのは色が限り無く黒に近い灰色だから。 「クァァ」 ハイカゲが可愛らしく鳴き、首を傾げる。 「ああ、任務だ。内容は勇者のスパイ、お前にもサポートして貰う事になる。宜しくな?」 ハイカゲは可愛らしくもう一度鳴くと、停まっていた俺の肩から飛び上がる。 鷹の様なサイズが肩から飛び上がるのはそれなりな衝撃だが、肉体的に色々規格外なので問題ない。 「取り敢えずハイカゲ、勇者が誕生する町まで案内頼むぞ!」 「クァァァァ」 先程より長く強く、まるで任せろと言うように声を上げた。 面倒だが仕方ない、魔王のスパイとして… ま、やりますか!
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