二章

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「ここに来るのは久しぶりだな?」 「クァァ」 俺達は今、始まりの城下町トータスに来ている。 ここでは勇者覚醒の儀が行われ、異世界から召喚された勇者の能力が決定付けられる。 可笑しな話だが、勇者はこの世界の人間ではない。 異世界から無作為に召喚し、その召喚された人間を覚醒の儀で勇者にする。 と言っても、召喚には条件付けされていて、覚醒する能力が在る者かつ、悪の心を持たない者とされている。 やけに詳しいな、と思うなかれ。この位は世界的に一般常識なんだ。 勇者召喚が出来るのがトータスが属するこの国、神聖国家ヘイロウの王家にして神官の一族しか出来ないってのも。 ついでに、俺は表の世界では傭兵…っても戦争に出るんじゃなく、主に雇われて依頼をこなす事を生業にしていて、ヘイロウの王家にも貸しがある。 だから、覚醒の儀が終わった辺りで適当に顔出せば、上手く行きゃ同行も出来るだろ。 って考えだ。 昨日、ハイカゲと考えた。 ハイカゲは言葉は話せないが、何故か意志疎通が出来る。 流石、俺の相棒ちゃんだ。
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