二章

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「おお!レウザ殿ではありませんか!?」 城下町を城へとゆっくり向かう途中、横から馬鹿デカいしゃがれた声が聞こえた。 「おう、騎士団長様じゃねえか」 顔を向けると、巨躯の鎧騎士が居た。 フルフェイスのヘルムが特徴的で、顔が見えなくても直ぐに判った。 「様なんて辞めて下され、我等の仲ではありませぬか」 我等の仲、と言われても。 一方的にぶっ飛ばしただけじゃないか?俺がアンタを。 「久方ぶりですな、此度は何用で?」 「ああ、何でも勇者が召喚されたらしいじゃないか。一目拝謁に賜ろうか、ってな」 嘘じゃない。 会って、なんやかんやでスパイするつもりだからな。 「では、此れから城へ?ちょうど良かった、是非ともお願いしたい事が御座います!」 お願い?なんだそりゃ。しかし、一回一回声がデカいな、このオッサン。 「はあ?お願い?つうか、アンタこそこんな所で何やってんだよ?」 「それも今の話に関わるのですが…如何かな、先ずは一つ手合わせ願いたい」 手合わせって…まあ、いっか。 ここで団長から色々と話を聞き出すのも良さそうだ。 「ハ。いいだろう、その腕鈍ってねえか見てやるよ!」
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