オタカノ。

２

「エリはダメ人間だから。頭はいいけど」

「………」

最後の、なんだそれ。

頭はいいんだから
学校ちゃんと行けばいいだけの話なのに。

「涼ちゃん…最近、学校のことばっかりで、」

「だって美容師なりたいから」

「だからね、エリは…いらないなぁって」

そんなことを
頭の働かないこんな夜中に。

こんな寒空の下で
言うなんて。

「だから、別れないとって…思ってたの」

「！」

「ほんとは、カテキョのバイトの時…もう帰らないつもりだった」

やっぱり
あれは、俺の勘違いじゃなかった。

そのつもりだったんだ。