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『そろそろ"向こう"に何かしら動きがありそうじゃろうな』
ボソリとアイが呟いた事に宇鳴は僅かに顔をしかめた。そもそも、研究施設の管理はアイが統括しており、このようになった原因も実質アイの責任である。しかし、そのあと処理を現在宇鳴が行っている事は気に食わない。
画面ではアイが呑気にディスプレイを駆け巡る。そしてアイコンからテレビを起動させた。
テレビではヨーロッパを中心に活動している巨大宗教団体についてのニュースだ。最近更に力を付け、世界にも布教を広めている。
そして、この団体こそが今回赤鳳学園の研究施設を狙っているのだった。
☆ ☆ ☆
「最近、このニュース多いよなー」
「ジョーさん、宿題やってる間はテレビ付けるのやめてくれよ」
「まあ、どうせ捗ってないんだし、一緒だって~」
「せやな」
「菅城も漫画おけよ。つか、何で関西弁なんだよ」
夏休みが半分は過ぎようとしていた頃、櫛原、菅城、千条の三人は休み前に出されていた沢山の宿題を未だ一割も片付いていなかったという恐ろしい現実にぶつかっていた。
ま、まだ夏休み半分あるし。と千条が震え声をあげたが、夏休み後半には海水浴とか花火とスケジュールを埋めている事を考えるともうヤバイのだ。
しかし、現状はこんなものだ。勉強開始三十分でダラけモード突入である。
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