299人が本棚に入れています
本棚に追加
☆☆☆
「あーつーいーヨー」
「りぃやん、さっきからそればっかりうるさいよぉ」
「りぃーやんって、いーうーナー」
アキハバラの僅かな日陰を勝手に自分の拠点にした楊鈴は、さっき宇宙人の格好をしたお姉さんに貰った団扇で仰ぎながら不満を言う。
「もう、はい頼まれたジュース」
「ういー。大体何でこんなに暑いのヨ、地球温暖化って何とかなってるんじゃないノ?何でシンクの買い物何かに付き合わされなきゃならないノ?」
「愚痴は凄いね。それに僕は頼んで無いよ、りぃやんが勝手についてきただけじゃないか」
「うるさい、オタ公メ」
楊鈴はこのアキハバラとうい場所があんまり好きに慣れない。何だここは? トーキョーは今日まで色々と見て回ったが、ここだけ何か異世界だ。
人が多いのは相変わらずだが、何かチカチカしたりキンキンうるさい。シンクの好きな日本のアニメ文化の聖地が楊鈴は好きに慣れなかった。別に賑やかなのは嫌いじゃないし、宇宙人のお姉さんも優しかったし全否定をするつもりはない。
でも、なんていうかモヤモヤしてしまう。理由は分かっている。
チラリと楊鈴はそちらに眼を向ける。
(なぁーんで日本のチャイニーズの印象ってあんなのバッカなのヨー!!
アルとか言わないし、お団子ヘアー流行ってないし。それにアレは何よアレは!?あんなヒラヒラしたスケベなチャイナ服ないワあ!)
ショートパンツにカーキのジャケットとボーイッシュな服装の楊鈴はげんなりせざるを得ない。ええー、私たちそんなイメージじゃないアルヨー。
最初のコメントを投稿しよう!