世界の害。それは

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ふいにアキハバラのビルに設置された大きな液晶画面が目に入った。 ちょうど例の学園の特集、というか宣伝みたいなものが流れている。どうやら来年の入学者の見学会を兼ねて、学園を解放しているようだ。見ていた楊鈴はパッと時計を確認する。 「そだ、一回このセキホー学園を見てみよウ。ここからなら遠くないし、時間もあるネ」 自分の目でどんな所かを確認してみたくなった。そんな野蛮な学園なのか、通う学生はどんなのか。見た所で、調査を辞めるつもりはないが、どうせ暇なこの時間で下見に行くのも悪くはないだろう。 思い立った楊鈴は直ぐに駅へと向かった。シンク? シラネ。 ☆☆☆ 約三十分程電車に揺られた後、楊鈴は目的の駅に着いた。降りて直ぐに気付くのはアキハバラでは感じれなかった快適さだった。 (す、涼しいヨ~!!) 電車の窓から見ていて気にはなっていたが、この薄いドームのなかは程よい涼しさを維持してくれているようだ。 少し長めのおさげ髪がヒラヒラと心地よい風に揺れる。 街の景観は日本のイメージとはかけ離れたヨーロッパ風な建造物が多かった。目を引くのは中央にそびえ立つ時計塔。本当にヨーロッパに来たみたいだ。世界を渡り歩いてきた楊鈴から見ても遜色ない。 正門をくぐったら、広々とした道が学園の中央に向かって伸びている。先ずは中央を目指す事にした。 (おお~、学校の中にデパート建ってるヨ。ふむふむ、パンフレットによると病院に薬草園とかもあるのカ……って映画館あるヨ!?学校の規模越えてるネ)
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