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目を醒ましたら
世界は一面白かった
見渡す限り一面【白】
「ここは、何処だ?」
どこまで続いているのか
なにも分からない
「ねぇ!!」
声がした
ボーイソプラノの声が
「え?」
何処から?
「ねぇってばぁ!!」
後ろからだった
「誰?」
振り向いた先には
子犬みたいな
色素薄めな少年がいた
「やっと気づいた!」
振り向いたのを確認すると
少年はふにゃっと笑った
「ねぇ」
少年はとててと近付いてくると
質問を投げ掛けた
「君は、【白】が好きかい?」
なんだその質問
変わった質問
「白?ん~。あんま好きじゃない、かな。」
「そっかぁ…。じゃあ、白は!?」
変わってないし…
「何が違うの?」
「さっきのは、雪って意味だよ!!」
最初からそう言えよ…
「雪は好き。白は嫌い。」
すると少年はふぅん、と呟いた
「そっか。」
少年は笑った
「じゃ、僕とは違うね。」
少年は踵を返すと
顔だけこちらを向けた
つい、その顔に訊いた
「ねえ、その質問って、なんなの?」
「ん~?」
少年は笑って
顔を背けた
「さあ、なんだろうね」
答えになってないし…
そんなところで
意識を失った
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