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なにしろ、バカなイヌほど手に負えないものはない。
「まったく、やんなっちまうよ」
ボクの友人は、吐き捨てるように言う。
「横断歩道のまん中で、ウンコし始めちまうんだから」
あれは大学生時代。ボクの友人は、サークルの溜まり場となっていた喫茶店で、「アルバイト」というほどではないが、イヌの散歩の見返りに、一回分の「食い扶持」を得ていたのだが…
「バカなアフガン」
彼はそのイヌのことを、そう呼んでいた。
正確には「アフガン・ハウンド」という犬種だろう。
(当時のボクはまだ、実際にその犬種を見たことはなかったと思う)。
聞けば、かなりの大型犬。力もあるのだろう。横断歩道のまん中とはいえ、押しても引いても、手も足も出ない。
それに、思うに、きっと「ウンコ」の量もハンパじゃないだろう。
(そのくらいだから、きっと飼い主も持て余していたはずだ。じゃなけりゃ、一回分の食事代なんて、個人経営の店としてはかなりの出費だ)。
最近のボクのジョギング・コースの途中にもいるのだが…大型で毛が長く、その割に頭が小さい。噂に聞いた通り、確かに頭は良さそうではない。
「バカな子ほど可愛い」と言うけれど、意味を取り違えている人が多い。
例えば、こんな話がある。
海外・某国での事。とある裕福な、子供のできない夫婦。しかるべき場所で、優秀な「タネ」を買っての『人口授精』。
(後に、そういう行為は、倫理的問題もあり、法的に規制されたらしいが)。
先に生まれた二人の女の子は、期待通りの秀才に育つが…三番目に生まれた男の子は『自閉症』。
しかし、夫婦が最も可愛がったのは、この三番目の男の子。
「バカな子ほど可愛い」とはつまり、手はかかるが、『自分たちがいなければ…』と思わせるような子供の事なのだ。
だって、「放っておいても育つ子」なら、さっさと『親離れ』してしまうだろうから。
(これに関して、ボクには一つの自・持論がある。それは…「性欲の強い子ほど、親離れが早く・はっきりしている」というものだ。だいたい、普通はどこの家庭でも、「性」に関する話題は、親子間ではタブーだろう。「親子」と「性」は、対極に位置するもの。ゆえに、「性」への関心が強い人間は、「親子」と離れた方向へ向かう。つまり、「性欲の強い子ほど、親離れが早く・はっきりしている」となるわけだ。こんな意見、どうでしょう?)。
“BOW・WOW!”
そして、やたらと吠える。
「弱い犬ほどよく吠える」というけれど、コイツは例外。「馬並み」とまではいかないが…あの図体で吠えたてられたら、大人のボクだってちょっと恐い。
(事件や事故が起こる前に…「土佐犬」なみに、所有や飼育に規制を入れた方がよいと思うのだが?)。
もっとも、吠えないイヌじゃ番犬にならないけ。
商売柄、あちこちの現場に出向くが、どこかの質の悪い守衛のいる会社と同じだ。
(そういう所はだいたいが、官営色の強い「親方・日の丸」的な企業か、民間とはいえ歴史の古い…ただし停滞気味の…「右寄り・国粋」気味の大会社だ。そして不思議と、同系列の別な工場に行っても、似たような守衛がいるものだ。まあボクに言わせれば、そこがこれから伸びる会社かどうかは「守衛を見ればわかる」。それがボクの見解だ)。
ボクの家では、これまでネコばかりでなく、イヌだって飼っていたから、イヌのことだって良くわかる。
(雑種が二匹と、もらってきた「秋田犬」が一頭…大きくて「頭」って感じだった)。
まあイヌの場合、顔つきを見れば、頭が良いかどうか、だいたいの見当はつくけど…ボクには、前々から不思議に思っていたことがある。
イヌとネコは、外観上の大きさで比較すれば、特に大型犬などの場合、ネコの数倍もあるのに、知能レベルで見た場合、『大きさほどの違いが感じられないのはナゼだろう』と。
『ネコは、霊的能力が備わっているため、知能が高い?』
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