Red Hill ~孤独な王女と冒険者~

序

夕方から降り出した粉雪がちらちらと舞い、街路をうっすらと白い化粧で覆っていく。

そんな降り積もったばかりの雪道を子供たちは息を弾ませながらはしゃぎ通っている。

その後ろから注意するように声を掛けているのはきっと母親だろう。

そんな光景が街のあちこちで見られる今日は、何だかいつもより街が活気付いているような感じだ。

街のメインストリートは蝋燭のイルミネーションで輝き、街路の脇に立つガス灯にまで細やかな飾りが施されている。

ストリート沿いに建ち並ぶショップも、今宵は看板を派手に飾りつけ、キャンディーを片手に呼び込みの女性が笑顔を振りまいていた。

クマやパンダといった着ぐるみを被り、子供たちの人気を集めている店もある。
また別の場所では陽気な音楽を流し、行き交う人々を楽しませている。

街は暖かなイルミネーションの光と人々の笑顔で輝き、煌めいていた。