一星

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カイの話はこうだった。 彼の住む魔界では20年に一度人間界に魔法使いを派遣し、派遣された魔法使い自身が選んだ人間に尽さなければならないという、謂わば「魔法使いの試験」があるそうだ。 「俺は今日で20なの。だから派遣されたんだ。」 「はあ・・おめでとう・・・」 「気持ち入ってねえなあ・・・」 苦笑しながらもカイの眼差しは優しいもので。 「魔法使いのくせに、口調がえらい雑ですよね」 それなのに毒を吐く私。 「そうか?現実の魔法使いなんてこんなもんだぜ?」 「・・・べらんめえ口調な魔法使い、想像しないよ」 「べら・・・?」 「いや!いいの!独り言!」
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