ネガイ

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それから数週間がすぎた 相変わらず夢斗はクラスの人から教師まで追われている毎日 「くわしくおしえて!」 「夢斗くん、隣に引っ越してきた子のこと教えてよ」 などなど 親も周りも彼の事ばかり聴いてくる そんな毎日は夢斗にとって 悪夢だった みんな壊れた玩具みたいに 同じ事を聴いてきて気持ちが悪い 「消えてしまえばいいんだ… こんな… 頭が変になるっ 消えろ…消えろっ!みんないなくなれ」 夢斗は屋上で泣き叫んだ 他人に追われる毎日 彼ばかり気にするみんな 「これは悪夢なんだ!覚めてくれ」 「…かわいそうな…夢斗くん…」 「!?」 すると後ろから聞き覚えのある声が 振り向けばいるはずのない彼がそこにいた 服やズボン、白い肌、金色の髪には赤黒い何かが付着している なにかとは夢斗にはすぐわかった 「ごめんね…ボクのせいで…苦しめて」 「ちょ…あんた…な…に?!」 「夢斗くんの話を聞いてさ 辛そうだから…キミの願いを叶えてあげたんだ。みーんなこの学校からけしてあげたよ?」 その言葉に目を見開く夢斗 「うそつくなよ… そんな…俺はただ…っ」 「確かめてくるといいよ? ただ…確かめ終わったらまた屋上にきてね… キミの願いを叶えてあげたボクにご褒美ちょうだい」 夢斗は彼の言葉が信じられず最後まで話を聞かないで屋上の入り口に向かい階段を降りていった †
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