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人影の顔は左右違っていた
羽織っているボロきれから急にばさりと音を立て翼がとびだした
これもまた左右ちがう
右が悪魔みたいな翼で左側天使みたいな羽根
左の羽根はボロボロで出した瞬間残っている数枚の羽根が地面に散らばせた
《…ほら…僕、こわがっているよ?
君大丈夫かい?》
左は…にこりと微笑み俺に手を差し出した
《…おどろいた?初めて見せたから、なんだか恥ずかしいな……
僕たち天使と悪魔のハーフなんだ
顔やからだ左右違うのはそのためなんだ…気持ち悪いかな?》
〈オレ…気持ち悪くは無いだろ…?〉
左右まるで別人のように話してる姿は奇妙だった
《ねぇ、その下は崖だから
こっちにおいで……?沢山お話しようか?君が逃げるから
自己紹介も出来てない
やっと、やっと君とお話ができるね》
そう言い近づいてくるソイツらに夢の中の俺は恐怖のあまり
振り払った…いや押し退けたと言うべきか
バランスを崩したソイツらは…
そのまま後ろの崖に落ちていった
グシャリと響く効果音
確実に硬い物とぶつかって潰れた音が
耳に残ると同時に
《すごく、すごく、痛かったんだよ
特に半分……半分のボグガ……潰れ……テェ、》
〈ぐぇがぁ……ごぅじ、で、〉
耳元で囁かれた。
†
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