水と月

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さっきまでの賑わいはどこへ消えたのか、今は寝息と誰かのいびきが聞こえる。 なんだか寝付けなくて、テントの外へ出た。山あいにあるキャンプ場の為、夜は寒い。上着を1枚羽織り、なんとなく湖へ足を運ぶ。遊歩道をブラブラしながら、ふと空をみる。 肝試しの時の空とは違い、雲が1つもなく、満天の星空にまんまるい月が輝いていた。見上げたまま、しばらくみとれてしまう。 …ポチャンと音がした。 ビックリして、音の先を追うと、湖には弧が波打ち、月が揺らめいていた。 驚く程綺麗に反映していて、月が落っこちてしまった音、だったんじゃないかと心配になってしまった。実際は魚が跳ねた音、なのだろうが、そんな錯覚が“僕”をのみ込んでいった。
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