水と月

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楽しい時間が流れていく、夢中になっていたおしゃべりが落ち着いてくると、だんだんいい雰囲気になる。 そっと顔を近づけて、唇を奪う。 抱きしめて押し倒さんばかりに、ルナを求め始めたとき、部屋の扉が突然、勢いよく開いた。 「……兄貴、何してんの?」 呆気にとられる俺へ、弟が言葉を続ける 「楽しげな声してたから、誰か来てるんかなぁ、思ったけど玄関に誰の靴もないし、扉ちょっと開いてたから見たら、兄貴ひとりでしゃべってるし…」 「…覗いてたの?」 弟が首をコクリと動かし頷き、口を開く。 「そしたら急に鏡にキスし始めて……なんか激しくなってって……」 「ちょっ…そっとしといてよ!!それに鏡じゃない、ルナにしてたんだ」 弟に見られた気恥ずかしさと、ルナとの時間を邪魔されたことで少し強い口調になってしまう。 「ルナって…鏡の中の自分?」 弟の顔がドン引きしている。
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