水と月

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寝静まった住宅街、予定外の帰路に悪態をつく。 「あんのドS上司!!余計な…!!無駄な仕事押しつけやがって!!」 暗い夜道に響く声に、猫が反応して唸る。塀の上から見下ろす黒猫を横目に、苛々を募らせたまま通り過ぎる。 「…こんな大切な日に、なんだってこんな時間に帰らなくちゃいけないんだ…」 あまりにも苛々し過ぎて、泣きたくなってきて、気持ちが沈む。ただ一分一秒でも早く自宅へ着くように、足早に先を急ぐ。 え? そんな急いでるなら全力疾走で行けって? 無理、さっき息切れハンパなかった…。 …年だな……。
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