嫉妬

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 周りからの反応で、少しはおとなしくなったけれど、陰湿なことを仕掛けてくるようになった。  わざと、智君の前では、私と仲良しのふりをして(バレてるのに)、どうにか智君に取り入ろうとしていた。  校外スケッチ大会がうちの学校はあって、今年はお城を描きに行くことになった。  現地集合だったから、智君と一緒に行く予定だったのに、結局智君の友達も含めて6人で一緒に行くこととなった。  バスの中でも、あからさまに隣りに行こうとする姿に、呆れて嫌悪感すらわかなかった。  あからさま過ぎて、逆に嫌われていっていることさえ気づいていないのが、哀れでならなかった。  「正美、こっちにおいで。」そう智君が呼んで、空いた席に座らせて、私としか話をしないように、いずみには背を向けて立つ形になっていた。  いずみの般若のような顔が、智君との隙間から垣間見えた。  一緒に来ていた子たちも、いずみのやり方に反感を持っていくようになった。  バスから降りて現地まで歩いて行く時も、隙あらば智君の腕にしがみついて、胸を押し当てたりしていた。  さすがの優しい彼も、嫌悪感がチラチラと表立ってきて、「正美。」そう呼ぶと、私の手を繋ぎ空いている方の手で二人分の画材道具を持って、いずみが入ってこれないように、智君はしてくれた。  それでもしぶとく、彼のそばを離れようとしない根性には、呆れてものも言えなかった。  それを見ていた愛菜が、痛烈な一言を言ってくれた。  「いずみ。あんたなんか相手にすらされたないのわかんないの?バカじゃない?逆に嫌われていることも知らないなんてね~。それともまだ『自称智君の彼女』って言うつもり?周りから見たら、迷惑な存在なんだよ!!邪魔!!」  愛菜に追い払われたいずみは、昔一緒に登校していた友人の方へ泣きながら走っていってしまった。  「智君ももっとしっかり守ってやってよね。正美ももっとはっきり言わなきゃダメでしょ!!」 愛奈からの言葉に、思わず苦笑いしながらも、返事をしている智君。  「そうだよね。ごめんね。愛奈ちゃんにも心配かけたね。正美ももっと自己主張していいんだよ。」 ふわっと優しい笑みを浮かべながら、言われると恥ずかしくて、下を向いてしまった私。     
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