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川沿いを歩いていると、前から犬の散歩をした少年に出会った。
軽く挨拶して通り過ごそうと思っていた私に、愛奈の行動に驚いてしまった。
「おはよう。智君。今日も朝から犬の散歩?」
少年は、愛奈からの言葉に、驚く様子もなく自然に話していた。
「おはよう。愛奈ちゃん。こんな朝早くから散歩なんてどうしたの?」
「智君に逢わせたい人がいたからね(ゝ。∂)」
そこで初めて、愛奈の企みに気づいた。その少年はあの時の少年であることに・・・
「智君。この子覚えてる?」愛奈の質問に、私の鼓動が跳ね上がるのがわかった。
「覚えてるよ。小学校の時転校していった正美さんだよね。」
覚えていてくれたことに、驚きと嬉しさとでただ頷くしたできない私。
それを横で見ていた愛奈の顔には(作戦成功(*≧∀≦*))、ばかりの満面の笑顔。
確かに愛奈には、話していた。転校前好意を寄せていた少年がいることを。
それだけの情報で、その少年を見つけ出し、こんな計画を立てるなんて、軍師にでもなるつもりなのか?
それから、三人で智君の犬の散歩を一緒にした。
智君は、私が転校してきたことも知っていたことに、驚いてしまった。
「雰囲気が変わったよね。だから最初は確信持てずに、声かけられなかったんだ。」
「どんなふうに変わってたの?」
「前はすごいお嬢様って感じだったよ。習い事たくさんしてたし、いつも本読んで物静かだったから。」
「今は?」
「すごく元気少女って感じかな?もちろんその可愛い服も似合うけど、ジーンズの方が似合いそうだね。」
やっぱりそう見えるよね~。だって、今の私は男の子と一緒によく昼休みにはスポーツしてたから。
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