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あれ?愛奈が話に加わらない?いつもなら我さきにと首を突っ込んでくるはずなのに?
それもそのはず、愛奈は犬が苦手だったから、犬を避けるのに夢中になっていた。その姿があまりにも可愛くて、思わず笑ってしまった。
計画したのはいいが片手落ちじゃない。
でもそれだけ私に逢わせたかったんだと思うと、感謝しなきゃいけないね。
「智君、この犬の名前は何?」
「『エス』って言うんだよ。触ってみる?」
「『エス』おいで!!」しっぽをこれでもかというくらい振りながら飛びかかって来られてしまった。
慌てて智君がリードを引っ張るが間に合わず、『エス』と一緒に倒れ込んでしまった。
『エス』から解放された愛奈は、少しアンドのため息をついていたのが、垣間見れた。
これが私たちの再会。
これ以後は、愛奈抜きで散歩に一緒に行くようになった。
智君の家と私の家は歩いて5分もかからないところだったから。
朝と夕方、二人だけの時間。
これが、友達から変化するのに時間はかからなかった。
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