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体育館では全校生徒が集められ、皆口々に今回の事件のことを話しざわめいていた。
「皆、静かに。今から校長先生のお話があります。静かに聞くように。では校長先生お願いします。」
教頭がマイク越しに話すと壇上にいた校長が生徒達を見回し、静かになったことを確認してから話し始めた。
「知っている者もいるだろうが、今朝悲しい出来事が起こりました。2年A組の田中君が亡くなっているのを用務員の鈴木さんが発見しました。遺書はありませんでしたが警察の方の調べでは自殺の可能性が高いということです。」
シンと静まり返る体育館。生徒の中にはすすり泣いている者もいた。悲しい重い空気が流れる。
「今日午後から保護者説明会を行う予定です。授業は取り止めこの集会後帰宅してもらいます。皆さん動揺もあるでしょうが落ち着いて帰宅してください。」
校長の話しが終わり生徒は各々の教室へと戻ることとなった。生徒の中には授業が中止になることがわかり不謹慎にも喜んでいる者もいたが、多くは同じ学校内の生徒が自殺したと言う事実を受け暗い面持ちだった。特に同じ2年A組の生徒達のショックは大きく教室に戻るまでの間誰一人話しをするものはなかった。
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