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教室に行くと、すでに宮島菜奈がいた。
宮島菜奈はあたしと明美の姿を見ると笑顔で走り寄ってくる。
「二人とも、おっはよ☆」
そしてあたしの何もつけてない手首にすぐ気付き、宮島菜奈の目つきが変わる。
「…友恵、ブレスレット…」
いつものカン高い声とはうって変わって低めのトーン。
あたしはびくっとしながら、駅から学校まで歩いてる時に考えついた言い訳を言う。
「菜奈、ごめんね。ブレスレットなんだけど妹が付けてっちゃったみたいなの。あたしより家出るの早いから、気づいた時にはなくて…。さっき電話したら可愛いから付けてったって言われて…」
あたしには2つ年下の高校1年生の妹がいる。
利用させてもらっちゃってすまない、妹よ。
「やっぱり菜奈、センスあるよねー!!菜奈が選んだブレスレットを友恵の妹が可愛いって言って持ってっちゃうんだからさ」
明美がフォローを入れてくれる。
明美ありがとうと心で感謝する。
「そうかなぁー?色んな人から菜奈、センスあるって言われるけどさぁ~。じゃあ、友恵!!明日は付けてきてね♪」
…よかった。
なんとか誤魔化せた。
これで同じブレスレットを買いに行けば完璧!!
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