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「あたしもお揃いで付けたい気は山々なんだけど、今金欠で…1200円しか持ってなくて…」
宮島菜奈の目を見るのが怖くて、宮島菜奈が持っているブレスレットに視線を落とす。
「…なーんだ、そんな事かっ☆いいよ、友恵の分は菜奈が買ってあげる!!」
機嫌そこねなくてよかったという安心感でほっと気づかれないように息を吐く。
しかし、買ってもらうのは気が引ける。
「だ、大丈夫だよ!!ほら、このブレスレットちょっと高いし…買ってもらうのは悪いよ」
「菜奈、昨日ママにお小遣いもらったの。だから大丈夫。…だって、友恵だけお揃いのブレスレット持ってなかったら可哀想だし」
宮島菜奈は1万円札を5枚財布から取り出してひらひらさせる。
お小遣いって…。
宮島菜奈の親も親でこんなに甘やかすからこんなんに育っちゃったんだよ…と、心の中で叫んでみる。
そんなこんなで宮島菜奈はブレスレットを2つ、レジで精算し、1つをあたしに渡してくる。
そしてあたし、明美、宮島菜奈が腕にお揃いのブレスレットを付ける。
「あたし達、ずっと友達だよ」
そう言った宮島菜奈の表情は笑っているが、目は笑っていないように見えた。
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