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……何て事だ……
今まで目立たないように努力してきたのが
全て無駄になってしまう……
こうなったらせめて被害を最小限に止める為にも
適当に手を抜いて
(走るのに手を抜くとは可笑しな表現だが)
三~四位あたりに落ち着くしか
道はないのだろうか……?
それにしても腑に落ちない事が一つある。
何故、あの目立ちたがり屋のAが
こうも簡単にアンカーという花形(嫌な単語だ)を
僕に譲ったりしたのだろう?
いくら自分より速いヤツがいたとしても
クラスでのAのポジションを考えると
多少のゴリ押しは可能のハズなのに……
何かアンカーをやりたくない理由でも
あるンじゃないだろうか……?
そこまで考えてふと気付いた。
今度のクラス対抗リレー、
優勝候補は僕達のいるC組(実は僕達のクラスは体力的に優秀な人材が揃っていた。
僕にとってはどうでもいい事だが)の他に
もう一つE組がある。
そして実力的にはE組の方が
わずかばかりだが上をいっていると思われている。
当然、リレーも彼らの方が有利なのだろう。
もしかしてお山の大将気取りのAには
それが我慢できないのではないか?
つまり勝てば良し、
たが負けた時にはその責任を
アンカーである僕に全て擦り付ける魂胆なのではないだろうか?
Aの性格を考えると
充分その可能性はありうる。
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