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現在から考えると
馬鹿な事をしてしまったと思う。
無視して帰路につけばよかったものを
我ながら何を考えていたのか
僕は老女の生死を確かめる為に
彼女の伏している顔を
覗きこんでみた。
(おそらく咄嗟の事だったので
思考が一時的に麻痺していたのだろう)
うまい具合に擦り傷だらけの顔をこちらに向けている。
髪に混ざる白髪と
皺の数から60~80歳くらいだろうか?
(老人の年齢は解りにくい)
息をしているか確かめようと
彼女の口元に手を伸ばしかけた時、
閉じられていた目蓋が僅かに震えると
ゆっくりとその瞳を露にし
僕の眼を弱々しいながらも
見詰め返してきた。
!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?
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