Ⅰ、初めての……

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そんなある日 僕にとっては起こりべからぬ事が起こってしまった。 いつもは朝六時きっかりに起こしてくれるはずの母親が いったい昨夜何をしていたのか その日は七時を過ぎても まだ布団の中で惰眠を貪っていたのだ。 僕自身は精巧な体内時計のおかげで既に覚醒していたのだが 母親に起こされて目覚めるという毎日のサイクルを乱したくなかったので いつまでも起き出す事ができないでいた。 それが失敗だった。
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