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ここは海!?‥波の音が遠くに聞こえる。
砂浜に棒切れで絵を描く真理亜は今よりもまだ幼くて、砂浜をちょこちょこ歩く足どりもあやうく転びそうでおぼつかない。
わたしと真理亜、そしてもうひとり家族だったひとが三人で笑いあっている。
彼の顔は逆光に反射してよく見えないが、日焼けした浅黒い腕で軽々と真理亜を高く抱き上げていた仕草だけはよく思いだされる。
わたしたち家族は‥真理亜とわたしとその男の人は、彼の仕事がやすみの日にはよく海まで車を走らせた。
中古で買ったワンボックスの小さな軽自動車だったけど。
そうか、ここはあの頃の海なんだ。
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