1話

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 俺は陸上部に所属している。何故かと言われると、ただ単に走るのが好きなので入部した。ちなみに長距離やってます。  それは置いといて、うちの学校は部活動が盛んで結構実力がある。  陸上部も例外ではなく、年に数人全国大会へ行くほどの実力を持っている。  そのため部活内の指導も厳しい。  朝練は多忙な顧問に代わり、副顧問が指導を行っているのだが、副顧問は生徒指導の先生でありながら優しい性格のためか朝練をサボっても怒られないので、だいたいの部員はサボってしまっている。俺もそのうちの一人。  反対に多忙ではあるが本練習には厳しく指導する顧問は、副顧問と同じく生徒指導の先生で全校生徒に恐れられるほど恐い先生なのだ。  俺も主に部活関係で数回怒られたことがある。  そんな顧問が朝練を指導しにくるなんて稀であるため、今日久しぶりに様子を見に来ることをすっかり忘れてしまっていたのだ。    時計を見ると練習開始5分前、ここから学校までは歩いて30分はかかるから、走ったところで遅刻は確定。行かないよりは行ったほうが良いのかもしれない…急いで制服に着替え、鞄に練習道具をぶちこみ家を出た。
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