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昇降口で靴を履き替え、母を職員室に案内する。
理事長にお礼を言うために来たのだから、職員室ではなく理事長室に向かうと普通は思うのだが、今朝真琴先輩からのメールで『今日学校に着いたら職員室に行ってくれ』とのこと。
あまり詳しく書かれていなかったため、どういうことかよく分からない。
階段を上がり職員室に着く。戸を開こうと手をかけたとき、独りでに戸が開いた。
優希「!?」
真琴「ん?おお来たか」
びっくりしたぁ…
戸が開き現れたのは真琴先輩。
先輩は俺と母を確認すると、振り向いて先生を呼び出した。
真琴「淳せんせー!来ましたから行きますよ!」
中野先生「おーう」
職員室のちょうど真ん中の列の席に座っていた中野先生が、先輩の呼び出しに応じてこちらにやってくる。
相変わらずだるそうな感じの中野先生は、母と挨拶を交わすと俺のほうに向いて、こう言った。
中野先生「理事長から話を聞いていたが、姫宮お前一段と可愛くなったな~」
は?
優希「なんですか突然」
突撃訳が分からないことをおっしゃる先生を睨む。
中野先生「そんな睨むなって。正直言うとな、男の時も可愛いとは思っていたが、まさか姫宮が女になって、さらに可愛さが増すとは思わなかったからな」
!?
思わず鳥肌が立つ。男相手に何を言っているんだこいつは…
内心どん引きしていると、真琴先輩が中野先生に何か耳打ちをする。
すると先生は徐々に青ざめ焦り始めた。
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